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理学部数学科

数学科オープンキャンパス2023特設サイト

九州大学理学部数学科オープンキャンパスサイトへようこそ!
本サイトでは、数学科所属教員による多くのオンライン模擬授業と、Web上で遊べるコンテンツを提供しております。
本ページのコンテンツは、自由に閲覧可能です(期間限定)。

数学科の教員による授業をライブで体験したい方は、8月6日に九州大学伊都キャンパスで開催されるオープンキャンパスの模擬授業にぜひご参加ください。
模擬授業の内容は本ページ下部の模擬授業(8月6日伊都キャンパス)概要の他、九州大学オープンキャンパスサイトを参照ください。
参加登録が必要ですが、空き状況により飛び入り参加も可能です(いずれも先着順。飛び入り参加の方には整理券を配布します)。
伊都キャンパスでのオープンキャンパスでは、数学科教員と先輩方による「進路相談室」も開いており、数学科で活動している方々と直接お話ができます。
九州大学数学科の授業を体験するも良し、数学科の先生や先輩と進路や数学のお話をするも良しです。
皆さまのご参加をお待ちしております。

九州大学オープンキャンパスホームページにて、全体の催しも案内されております。
あわせてご覧ください。

ごあいさつ

数理学府長 辻井 正人

学科紹介パンフレット

みなさん、こんにちは!
今回は理学部数学科のオープンキャンパス(のページ)を訪れていただいてありがとうございます。 ここに来られたみなさんは数学に興味があると想像します。下には、理学部数学科の先生方が数学の様々な 話題について「模擬授業」としてビデオを公開しています。 是非視聴してみて下さい。もし理学部数学科への入学に興味が湧いたら、数学科の「学科紹介パンフレット」も参考に将来への進路として是非数学科への進学を検討していただければと思います。

理学部数学科では「数学」を学び、研究します。ここで言う数学は高校で習う数学と同じで、その続きです。
しかし、一般に「大学に入って数学がわからなくなった」とか「数学科の数学は高校とは違う」という話を世間ではよく聞きますし、数学科の中でもそういう声を聞きます。 その理由は様々ですが、私思うところの一つの理由は「大学(の数学科)の数学は研究を目標としている」と言うことです。答えがあるとは限らない問題に対して、どのように問題を設定してそれを解決するかを考えるのが「研究」です。 その「研究」の際に役に立つように教えようとすると、どうしても高校とは違う教え方になります。理解を深める上では、まずは自分で時間をかけて考えた上で、先生と話したり、学生同士で議論することが必要になります。 考えたり、議論したりすることが好きな人はきっと楽しめるはずです。一方で、入試問題をパターンに沿って早く解くことが数学の上達と思っている人には少し考えを変えてもらう必要があると思います。是非、よく考えて進路を選んで下さい。

数学科のメリット3選(私見)

  • 数学は基礎的な分野で、流行り廃りが少なく、時間的な変化が緩やか。数学の基本を学ぶには相当な時間がかかるが、身につければ一生役に立つ。
  • 数学科の定員は(少なくとも海外と比べると)比較的少なく、一方で、数学ができる学生への社会での需要は徐々に高まっている。(結果として就職では比較的有利。)
  • 拘束時間が比較的短い。

模擬授業(WEB)

ここには、九大数学科の教員による模擬授業を掲載しています。皆さんご存じの整数論や方程式に始まり、組合せ数学、折り紙、感染症数理、更に数学の様々な応用といった幅広いテーマを取り扱っています。

  • 23分
    絵画の数学
    新居俊作准教授
    奥行きのある風景を平面であるキャンバスに表現するには、通常、手前のものを大きく遠くのものを小さく描きますが、具体的にどの様な比率で描いてどう並べるかを理論化したものが遠近法です。
    これは空間内の図形の配置の問題なので、そのままで理解するには(知識は小学校の算数で済むのですが)鋭い空間感覚が必要です。ここでは、高等学校で習うように「座標を用いて平面や直線を方程式で表す」という方法を用いると比較的簡単に理解できることを解説します。
  • 54分
    カオス
    新居俊作准教授
    複雑で難しい問題に取り組むための一般的な指針として次があります:
    1. 問題をいくつもの小さく単純な問題の集まりに分解する。
    2. 一つ一つの単純な問題を解決する。
    3. 個々の単純な問題を組み合わせて全体をまとめる。
    科学の研究でも、このような方法論を大いに活用しています。
    この考え方には「小さく単純な問題は比較的容易に解決できる」という前提がありますが、実はこれは必ずも正しいとは限りません。
    この講義では、高校数学と高校の物理学(力学)+α の範囲で、そのような具体例を紹介します。
    (この講義で使用してるスライドは2003年度の公開講座のものなので、多少見づらい部分があります。)
  • 33分
    音楽の数学I
    新居俊作准教授
    西洋音楽で使われる12音階の歴史は古代バビロニアにまで遡りますが、近代まで基本的に比の原理に従って作られてきました。
    この講義では、古代のピタゴラス音階から現代の平均律まで、どのような原理に従って音階が作られてきたか、中学校から高等学校の初年級まで程度の数学を用いて解説します。
  • 35分
    音楽の数学II
    新居俊作准教授
    「音楽の数学I」では西洋の12音階がどのように決まっているかを解説しています。
    この講義では、もう少し先に進んで、ピアノの調律がどの様な理屈に基づいて行われているかを解説します。
    「音楽の数学I」では、1オクターブ上の音は丁度2倍の周波数の音であると紹介しました。弦楽器や管楽器ではそれでいいのですが、実はピアノの調律では、1オクターブ上の音の周波数を2倍より高くしています。そうする必要が生じる理由を、弦楽器の様な柔らかい弦を振動させる場合とピアノの様な硬い弦を振動させる場合との振動の仕方の違いから解説します。
    (この講義を理解するには、高等学校3年生の理系の数学で習う三角関数の微分公式の知識が必要です。)
  • 4分
    グラフ,陰関数と特異点
    大津幸男准教授
    陰関数が2変数関数から定まる場合と定まらない場合があります.そこを見極めようとしていたら…
  • 7分
    関数と多項式の収束
    大津幸男准教授
    原点での微分を使って関数を近似する多項式を考え収束を調べると思わぬ現象が見えてきました...
  • 114分
    計算可能なものと計算不可能なもの~計算理論の歴史と数理~
    浦本武雄助教
    計算理論では,「機械的に計算可能である」ことを計算モデルに基づいて厳密に定義し、「どのような命題であればその真偽を(計算モデルによる計算可能性の意味で)機械的に判定できるか」あるいは「計算可能であれば、そのために必要な計算量はどの程度か」を数学的に、定性的・定量的に議論する枠組みを与えます。
    本模擬授業では,計算理論の歴史的背景や実学的影響に触れながら,計算理論の数学的内容を概観します。
  • 46分
    包除原理から 平方数とサルの動き
    石塚裕大助教
    包除原理は、集合の元を数えるときに出てくる考え方です。この模擬講義ではその整数論的な応用と、他分野における共同研究で似た考え方が現れた場面についてお話しします。
  • 格子の遠近法
    大津幸男准教授
    世界遺産、というより、イスラム建築の最高傑作(*個人の感想)メスキータの多柱式礼拝堂をヒントにJavascript のライブラリー p5.jsでアプリを作成しました。
    5つある平面の二次元格子でメスキータが出来ていたとしたらどう見えるのかをご体験ください。
    上記の画像をクリックすると、別ページにて再生されます。パソコンの Chrome での使用をお奨めします。
    p5については https://p5js.org/ をご覧下さい。
  • 23分
    まわれメビウス折り紙
    鍛冶静雄教授
    多くの人がきっと遊んだことのある折り紙、その背後に実は現代数学が潜んでいます。
    このビデオでは、その様子を少しだけお見せすると同時に、受験勉強ではない”学問"、そして研究者が一生をかける"仕事"としての「数学」についてもお話ししたいと思います。
    ぜひこのリンクから型紙や模型データをダウンロードして、その手で現代数学を感じてみてください。
  • 24分
    3次方程式の解法1 解法
    落合啓之教授
    2次方程式の解法の復習と y=t+1/t という魔法の変数変換で3次方程式を解きます。
    0:002次方程式の解法の復習 7:203次方程式でも同じように係数をどんどん綺麗にしていく 16:25係数が簡単になった3次方程式を解く 19:10もとの変数で答えを書く
  • 6分
    3次方程式の解法2 解法の応用
    落合啓之教授
    この解法の応用として「驚愕の等式」と呼ばれる等式を鑑賞してみましょう。
    0:00解の公式を用いた表示:平方根や3乗根の組み合わせの複雑な表示 2:40因数分解を用いて解いた簡単な表示 5:30手品の種明かし
  • 13分
    3次方程式の解法3 ガロア理論
    落合啓之教授
    解いた方程式を題材としてガロア理論の香りを嗅いでみましょう。
    0:00解いた時に用いた4つの変数の関係を整理 4:001の3乗根によって解がどのように変化するか? 10:30正三角形の対称性との関係
  • 29分
    感染症の拡大と収束の過程の予測方法
    新居俊作准教授
    新型コロナウイルス等による感染症がどのように広がって行くかを数学的に予測する方法の基本的な考え方を高等学校の数学の範囲で解説します。
  • 38分
    ネットショッピング時代の暗号理論
    新居俊作准教授
    暗号は有史以来ありますが、それらのほとんどはネットショッピング等でクレジットカード番号等の個人情報を送るには向いていません。
    そこで、インターネットでの使用に便利な暗号として「公開鍵暗号」が提唱されました。
    本講では、最初に実用化された公開鍵暗号であるRSA暗号の原理を、高等学校の数学から最小限の知識を学ぶだけで解説します。
  • 5分
    アミダクジの織りなす数学
    大津幸男准教授
    アミダクジは日本発祥の籤引きですが、決まった本数のアミダクジには掛け算、単位、逆といったものが定まり、美しい数学を形作っています。
    そこから有限群論の幽玄の世界に分け入ってみましょう。
  • 4分
    グラフと接平面
    大津幸男准教授
    空間内の簡単な関数のグラフとその接平面たちを見くらべてみると、思いがけない関係や幾何学が見え隠れしています。

模擬授業(8月6日伊都キャンパス)概要※受講希望の方は、受付で希望の講義をお知らせください。

7月31日(月) 9:00より、一部プログラムの定員を増加いたします。
参加をご希望の方は、上記日時より追加申込を受け付けますので、予約サイトより申込をお願いいたします。
詳しくは大学のおしらせを参照ください。

九州大学オープンキャンパスサイト内の理学部のページに詳細掲載しています。
予約希望の方は、こちらから予約することができます。

【午前】10:00 ~ 12:00

A

ある数学者の四方山話(松江 要 准教授)

部屋: W1-D-207 / 定員: 72

大学の先生をはじめ、数学の研究と追及を生業にしている人たちは「数学者」と呼ばれています。昨今、数学者のあり方も多様化しています。今回は、九大数学科の様子や、今の時代でもまだ特殊と思われる数学者(講演者)の生態、および大学生になろうとする高校生、数学者に限らず社会に出る人間の心構えの1つを、これまでの経験をもとに語ります。肩肘張らず、気楽に聴くのが良いです。
面白い数学の話はこの後の模擬授業やオンラインコンテンツに、進路について数学科の先生や先輩と話をしてみたい場合は「進路相談室」に直行です。

B

パズルに潜む抽象数学の考え方(松坂 俊輝 助教)

部屋: W1-D-413 / 定員: 116

プロ・アマ問わず、いつの時代にも数学が大好きな人はたくさんいます。数学の楽しみ方は様々ですが、その中でも「自作の数学パズルを持ち寄って、みんなで解きあう」という方法は歴史的にも非常に人気があるようです。この講義では、いくつかの数学パズルを取り上げて、その奥に潜む深い抽象数学の世界を、ほんの少しだけお見せします。

【午後】12:50 ~ 15:00

C

確率論で(少し)理解する感染症の伝播(原 隆 教授)

部屋: 講義棟302 / 定員: 110

感染症の伝播の理解とその対策は、現代社会に生きる我々にとって非常に重要な問題です。この模擬授業では、感染症の伝播がどのように起こるのか、確率論のモデル(パーコレーション)を用いた考え方を紹介します。このパーコレーションを用いた考え方は特に定性的な理解に適しており、通常行われる微分方程式を用いた記述と相補的なものになっています。
微分方程式を用いた記述については、本ページ内「模擬授業(WEB)」にある新居俊作准教授の「感染症の拡大と収束の過程の予測方法」がおすすめです。ぜひ、新居さんのビデオもご覧ください。

D

相関のその先って?(川野 秀一 教授)

部屋: W1-D-413 / 定員: 116

高校では2種類のデータ間の関係を測る方法として、相関ならびに相関係数を勉強します。相関は便利な道具ですが、「関係がある」または「関係がない」といった程度のことしかわかりません。また、2種類のデータ間の関係が直線的でない場合には、相関ではその関係を測ることはできません。そこで本模擬授業では、相関のその先の方法を紹介します。具体的には、予測の観点からの回帰、および非線形の関係の捉え方を紹介します。

10:00 ~ 15:00 (12:00 - 13:00は昼休み)

随時

数学科進路相談室(高瀬 裕志 助教、小谷 久寿 助教)

部屋: W1-D209

大学生活のこと、数学のこと、お気軽にご相談ください。
※学生募集や入試等に関することはHPの公開までお待ち下さい。